地球を離れ、宇宙を旅する。これほどのロマンが他にあるでしょうか?
しかしヒトはまだ、月までしか行ったことがないんですネ。

そこで、人のかわりに宇宙の遠くを観てくるモノとして「探査機」があります。
コレにカメラを積んで、撮って、送信されてきた画像なんかを観るわけ。

そこにはSFのような世界が広がっていて、みる人を圧倒し、魅了します。
しかしそれはフィクションではなく、実際にある現実の宇宙なのです。

そんなもの、今やハッブル宇宙望遠鏡とかでいいじゃないか!と。
地球の軌道を回るアレなら、いつでも、どこへでも、どこまでも観ることができます。

しかしその画像や動画は、例えば赤外線やX線などを使って合成し着色したもの。
科学的にはソレはとても有用で便利なモノではあります。
なかにはとても幻想的な宇宙の風景なんかもあって、芸術的ですらありますが。

しかし…やはり「コレジャナイ!」と思うんですヨ。
私たちが宇宙に求めているものは「科学」や「芸術」ではなく「探検」なのです。


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科学と探検は、なんかこう、密接な関係にあるように感じますよネ?
しかし、これらはやはり違うんですネ。別々に考えるべきモノなんです。

ひとは、科学のために探検をしないんですヨ。

科学は、探検した成果を理論的にひもとく作業とその結果にすぎません。
探検によって実証された宇宙科学は、次に探検をするためのステップなのですネ。



さて、ここから35年前の探検の話になります。

1977年は、太陽系の遠い惑星を探検するのにまたとないチャンスの年でした。
木星から土星、天王星、そして海王星までを全部経由することができるのです。

え?そんなんイッキに行かずに、それぞれ別で行けばいいやん?
そう思うかもしれません。しかし「経由する」というのが重要なんですネ。

経由する、というのは、その惑星で「スイングバイ」して加速するという事なのです。
もしスイングバイ航法を使わずに行こうとしても、せいぜい木星までが精一杯だそうな。

それぞれの惑星でスイングバイすれば、海王星まで行けちゃうヨ!っていうんですヨ。
それが1977年に探査機を打ち上げるということの大きな意味なのでした。
この年を逃せば、次のチャンスまで175年も待たなきゃいけないんですネ。



このチャンスをみすみす逃さないヨ!ていう機関がひとつだけありました。
そう、アメリカ航空宇宙局、NASAですネ。

折りしも人を月に送ること8回、アポロという単語が宇宙探検の代名詞になった時代。
チョコレートにもなったほどですヨ。アポロチョコ、うまいよネ!

そんな宇宙探検の追い風を受けたNASAが、海王星に無人探査機を送ろうと。
じつは2012年の現在でも、人が到達したもっとも遠い星なんですネ。

これを「ボイジャー計画」といいます。



ボイジャーというのは「航海者」という意味です。
NASAはその「航海者」を2機造りました。ボイジャー1号とボイジャー2号です。

1号は当初、木星でスイングバイして冥王星行っちゃう?ていう計画でした。
これは打ち上げた後、やっぱちょっとムリ~ということで冥王星を断念、
木星でスイングバイして土星に行くことになりました。

2号は木星から土星へ、そこから天王星、そして地球から45億km離れた海王星へ。
打ち上げてから海王星に到達するまで、なんと12年もかかる計画です。

当然、探査機の制御装置、コンピュータや通信機器なんかを動かさないとです。
そのための燃料を12年分用意する必要がありますネ?
でもロケットで打ち上げるんだから、重たいものや、かさばるものはムリですヨ。

で、何を積んだか。プルトニウム電池を積んだんですネ~。
プルトニウムってのは核燃料です。これを電池にして探査機にくっつけたんですネ。
これで海王星到達まで、およそ400Wの出力をまかなうことができます。

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さて、これからボイジャーたちの話が続くのですが。
先にまず、ボイジャー1号が今どこにいるのかを話しておきましょう。

ボイジャー1号は地球からおよそ180億km離れた位置を飛んでいます。
そこは「末端衝撃面」といわれる、太陽風が丁度なくなるエリアなのだそうです。
2014年には太陽系の境界線ともいえる「ヘリオポーズ」というエリアに突入します。

意外なようですが、打ち上げから35年経過してもまだ太陽系から出てないんですネ。
これでも時速6万kmで飛んでいるんですヨ?

燃料はまだ残っていて、コンピュータや通信機器は2020年ぐらいまで使えるそうな。
しかし地球と交信するのは色々と困難があります。

まず、通信に片道およそ13時間かかる。往復で1日以上かかるんですネ。
しかもその電波は20Wで出力されますが、到達する頃にはその電波はなんと、
20Wの1億分の1をさらに1億分の1にした微弱なものなのだそうです。

NASAは現在、ボイジャー1号と交信しているかどうかを公表していません。
まぁ恐らく交信していないでしょうネ。(2号とは交信してるみたいですが)
計画はすでに終わっていて、機材やコストや人手をかけられないでしょうネ。

では、ボイジャー1号は今、いったい何のために飛び続けているのでしょうか?
科学のため?交信もできないのに?じゃあ意味はないの?惰性で飛んでるだけ?

しかしボイジャーは今も旅をしていて、地球に向けて通信電波を飛ばしています。

「I Live Here(私はここにいるヨ!)」
地球から離れて35年間、ボイジャーはずっとそう呼びかけ続けているのです。
たとえその声が誰に聞かれていなくても、です。

もうおわかりですネ!
そう、宇宙のロマンというのはずばり「終わりのない探検」なのですヨ!



( ^ё^)<あと2回つづくヨ!)