オイラのちゃりんこはGIANT Escape R3という初心者御用達の定番クロスバイク。
平日は片道5kmの通勤に、休日はもっぱら深夜の徘徊ポタに50kmほど乗り回しています。
新車購入からいじりまくって5年7ヶ月、積算距離はとうとう30050kmと、大台に乗りました。

157_1












30000km走ったマイエスケさんですが、これまでの経緯のとおり、いぢり倒してネ、
パーツもムダにバンバン交換して、オリジナルがフレームだけっていう有様。
そしてジャイアントのフレームはとにかく頑丈!ってのが定説なのですヨ。

つまり”エスケさんは30000km乗ってからが真骨頂”といえよう!

オイラはそれまでに色気だして色々パーツをとっかえひっかえしちゃったけど、
その気ならオリジナル・デフォのままで5年ぐらいはラク~に運用できるはずです。

あ、タイヤやチューブ、チェーンあたりは消耗品なので交換しないとアレだし、
現状のままちゃりみたいに屋外保管でノーメンテとかだと1年もたないと思うけど。



◆フレームのへたりってどんなの?

ちまたではよく、フレームの寿命として「カーボンは3年アルミは10年で終わり」などと
言われることがあって、聞いたことある人も多いと思うんだけど。
コレ、実感したというか、自分で体感した経験のあるひとってどれだけいるのかな?

ゆるゆるだけど、30年以上スポーツバイクに乗ってきたオイラ。
それでも、10年選手程度のモノでフレームのへたりを感じたことなど1度もないです。

常時250W以上、もがいて500W以上出すプロなら体感できるかもしれないけど、
フツ~の人が150W程度、もがいて300Wチョイで運用しても、体感できないと思います。

いちばん多いのが、クランクセットやBB、シートポストあたりの締付トルク不足とか、
あとはホイールのスポークテンションが緩んできたり、ばらついてきたりとか、
その類の不具合を、フレームがへたった、と勘違いしているケースです。

あるいは、経年でへたったのではなく、接触や落車などによるダメージが入ったせいで、
もとの強度を損なってしまった場合ですネ。これは「へたり」とは言いません。

フレームの寿命は、チマタで言われるほど短命ではないとオイラは思うのですヨ。

具体的に言えば、アルミやカーボン、クロモリといった素材にかかわらず、プロみたいに
ムチャな出力をかけたり、乱雑で無謀な運用をしない限り、10年以上はもちます。
また、多少へたっても、丁寧に運用すれば体感の差はほっとんど感じないはずです。

ずいぶん前のハナシ、オイラが以前、30年落ちで15万km以上乗ったプジョーのロードを
譲り受けて乗ってた時は、さすがに踏むとビミョウなロスを感じる事があったのだけど、
それでも大きな問題などなく快適に走れてましたヨ!

157_2











◆しなりとグネりの違いって?

最近チマタでは(チマタがどこなのかはオイラわかんないけど)「しなる」っていう表現を
よく耳にするようになりました。丁度カーボンフレームが市販され始めた頃からですネ。
だいたい15年ぐらい前からかな?それまではあまり聞かない表現でしたネ。

まず「しなり」っていうのは、そもそものフレームのつくりがそういう設計になっていて、
路面状態の凹凸による衝撃をフレームで吸収してやわらげる効果をそのように表現します。
また、トルクをかけた時の反発をフレームで吸収するカンジもそう表現しますネ。

これらは主にフレームの素材で決定されるようです。(一概には言えないけどネ)
例えばカーボンなんかはしなりが大きく、アルミはしなりが小さい傾向ですネ。

対し「グネり」というのは、トルクをかけて踏んだ時…例えばダンシングなんかの時に、
パワーが推進力以外のトコロに(特に横方向に)逃げる感覚のことを言います。
パワーロスが大きいとか、効率が悪い状態や機材のことですネ。

グネりの原因は、フレームの強度不足ってのがもっとも多いかな?
体重を支えきれなかったり、大きなトルクの入力に耐えきれず「過剰なゆがみ」が発生して、
戻りまでのラグが大きくなってタイミングが崩れる~みたいなネ。

他にも、タイヤの空気圧が不足してたり、タイヤそのものが柔らかく型崩れしやすかったり、
あるいはフォームのばらつきやパーツの不良や組付け不良なんかでもグネりは発生します。

対策としては、きちんと組み直すとか、スポーク本数の多いホイールに交換するとか、
カーボンにこだわらず、強度の高い素材のフレームを選ぶとか、フォームを改善するとか、
タイヤを型崩れしにくいものにするとか空気圧あげるとか、そんなモンですかネ?

157_3











◆へたりと使用年数は無関係?

さて、ではどういった状態が「へたり」というのでせう?

どんなにパーツを新品に交換しても、踏むと今までなかったグネり感が出てきてるとか、
しなってやわらげるカンジとはまた別のタイムラグなカンジが少しずつ大きくなってたり、
あと多いのは、右と左で踏んだ感触に差異が出て、だんだん大きくなってる時かな?

フレーム単体をよぉ~く診ると、中心が歪んでズレてたり、接合部分の塗装がハゲてたり、
シートステーやチェーンステーあたりが少しヨれたような歪みがあったりします。
ホント、よぉ~く診ないとわからないレベルだけどネ。

なんだよちゃんぷる、それがホントならアレだ、歪みを修正すればすむじゃない!
と、あて板とハンマーを持ってアップを始める貴兄に一言。違う!そうじゃない!

これネ、いわゆる「素材の疲労」なのですヨ。素材が金属なら「金属疲労」って事ネ。
これはいくら修正したって、素材が疲労してるからネ、完全には直らないモノです。

繰り返し繰り返し大きなトルクをかけてたり、あるいは持続的に振動をかけ続けると、
素材は徐々に元の強度を保てなくなります。
クリップとか針金をくりかえし曲げ伸ばしすると脆くなって折れるでしょ?アレです。

なので、使用年数でへたってくるのではなく、使用強度や環境の蓄積でへたるのです。
てことは「カーボンは3年アルミは10年で終わり」というのは間違っている事になるネ。

もちろん、経年劣化っていうモノもあるんだけど、それは例えばサビとかの腐食のこと。
原因は単なるメンテナンス不足か、適切でない状態での保管が原因です。
オーナーによる無知や怠慢による劣化は「へたり」とは言いません。



いやネ、オイラがなんでこんなこと書いたのかというとネ。

近年のスポーツバイクブームで乗り始めた人らが、したり顔で「そろそろへたってきたから」
とか「カーボンは3年でカンペキにへたるよネ~」みたいな事を話してるわけですヨ。
いや、新しいのに買い換えるならも~全然、どうぞお好きにって事なんだけど。

ただ一言。アベ24kphで3年10000km乗った程度のそのバイク、多分へたってはないですヨ!

なんかこう「へたってきた」とか言っておけば、こんなにヘヴィに使いこなしてる?風な?
そんなカンジの俺だぜ!みたいな、サラリーマンの「寝てないわ~」自慢と同等のレベル?
…なんかちょっと違う気もするけど、そのぐらい「ど~でもいい」事なのですヨ。

とにかく、その「ツゥぶったカンジ」がハタから観ててちょっと痛いのです。

そんなしょ~もない見栄なんか捨ててさ、もっと素直に楽しもうヨ?
もし本当に一流メーカーのカーボンフレームを数年でへたらせられるほどの豪脚ならさ、
アマチュアに混じってないでプロチームでガンガン活躍してほしいものです。



(゚ё゚)<チーム右京でもブリッツェンでもどこでもいいぞ!)